短歌:好日2020年10月号より
《 一行 》 2020年八月六日朝刊の一面に見えず広島のこと // コロナ禍で面会できない一行を忘れては苦しむ母かもしれず // 上を向いて歩こう涙こぼれてもいいから上を向いて歩こう // 八月を目… もっと読む 短歌:好日2020年10月号より
《 一行 》 2020年八月六日朝刊の一面に見えず広島のこと // コロナ禍で面会できない一行を忘れては苦しむ母かもしれず // 上を向いて歩こう涙こぼれてもいいから上を向いて歩こう // 八月を目… もっと読む 短歌:好日2020年10月号より
《 括弧(かっこ)を外す 》 一枚といえども異物マスクしていったん吐いた息を吸い込む// 歌舞伎町でもし働いているとしたら、「夜の街」から「」(かっこ)を外す// むりやりに押しつけられたマスクにはあらねど愛しき空気を隔… もっと読む 短歌:好日2020年9月号より
この春を死無型転無憂医流水(シンガタコロナウイルス)と書きて「自粛」を私より消す// 「面会の禁止」つづけど夏帽子かぶれば母と語らう心地す// さまざまの形のマスク生まれるは「まだ生きたい」という意思表示// 信号を待… もっと読む 短歌:2020-8マスクを外す
《 見ゆ 》 2020年「未知なるもの」が現れて春を丸ごと摘む夢を見た// ゆりの木がなぜ百合の木か遠くより一本直ぐにそびゆるが見ゆ// 見えるはずなけれど遠くに白き花 昨日立ち止まり見上げし水木// 一つところに動かず… もっと読む 短歌:好日2020年7月号より
2020年マスクをつけて砂のような煙のような息吐いている// 桜蕊(さくらしべ)落ちて地にあり三月に見上げいてそこに見えざりしもの// わが生める歌にはあらず いただける身を成す水の華でこそあれ// 十五分歩けば漱石山房… もっと読む 短歌:2020-6〈水の華〉
つづくべき平和、日常「ここでいったん腹を括って」合唱に行く// 病院にこのままいたい「行く日」までここにおりたい母は呟く// もう家に帰りたくないここに居てお喋りしながらご飯を食べる// まっすぐに花立ちあがる春が来て彼… もっと読む 短歌:2020-5〈ご飯を食べる〉
昨日の、怪しいではなく危ういココロ、眠れば何とかなるとの経験知がある。果たして目覚めはすっきり単純明快。 web歌会は第20回であるようだ。きちんと数えてまた管理してくださる方あってこそ。10時からお昼休みを入れて14時… もっと読む web 歌会(2020.5.10)
《エール》// 肩甲骨を左右に開き緩めおく 羽がいつ生えてきてもいいように// 今日一つ「恋人つなぎ」の語彙増えて心現れた手ばかりを見つ// オレンジは斜めに切るのこうしてね切り口がほらはなびらになる//(故山本雅子の声… もっと読む 短歌:好日2020年4月号より
「好日」4月号が届いた。中野照子追悼特集号である。400字以内ということで私も書かせていただいた。しかし自分の文なのに読みにくい。 もちろん長ければ思いが伝わるというものではないが、あれもこれも書きたい思いばかり溢れて、… もっと読む 中野照子先生追悼文
《音なふ》// 兄弟がひとり足りない不可思議の空間残る兄の三回忌// 行き先の天空橋という駅のその先の先 虹たつところ// 大切な人の声とはなつかしき過去形ならず今を「音なふ」// 初春の光のもとで開く本の青色のインク… もっと読む 短歌:好日2020年3月号より