詠う(短歌)

短歌:好日2020年7月号より

《 見ゆ 》

2020年「未知なるもの」が現れて春を丸ごと摘む夢を見た//

ゆりの木がなぜ百合の木か遠くより一本直ぐにそびゆるが見ゆ//

見えるはずなけれど遠くに白き花 昨日立ち止まり見上げし水木//

一つところに動かずありて陽光を吸い込んでいる石に腰掛く//

夏くらき土間の半胴(はんず)の蓋を取り水飲む若き母が今日見ゆ//

「はなびらは散っても花は散らない」に寄りかかれるか母が逝くとき//