詠う(短歌)

短歌:2020-5〈ご飯を食べる〉

つづくべき平和、日常「ここでいったん腹を括って」合唱に行く//

病院にこのままいたい「行く日」までここにおりたい母は呟く//

もう家に帰りたくないここに居てお喋りしながらご飯を食べる//

まっすぐに花立ちあがる春が来て彼岸花の葉はそろそろ枯れる//

一点の血の滲みもつ卵黄をそんなに長く見てはいけない//

師の髪にローズマリーを付けし日あり通りすがりに一枝手折る//

もしこれが潮時というものならば思いつめずにご飯を食べる//

「好日」2020年5月号より

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これを出したのは3月上旬。「感染する可能性」を恐れはしても、誰もが「感染させる可能性」があるという意識は、この時点ではまだマスコミも報道していなかったように思う。

7首目に置いていた歌を、いま、こういう時だけでも冒頭に置きたい。

3月から母のいる病院も面会禁止になった。〈退院してから手伝いに帰る〉を待たず、待てず、とりあえず会いに行くと決めて、2月に帰っておいてよかった。

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17:48 狐の嫁入りが見られた

17:49

18:22