詠う(短歌)

短歌:2020-6〈水の華〉

2020年マスクをつけて砂のような煙のような息吐いている//

桜蕊(さくらしべ)落ちて地にあり三月に見上げいてそこに見えざりしもの//

わが生める歌にはあらず いただける身を成す水の華でこそあれ//

十五分歩けば漱石山房の以呂波紅葉の文字見に行ける//

面会禁止の病院にいてたらちねの母の記憶もうすらぎゆかむ//

張りつめる身の緩みつつさしすせそ やわらかな音ふともれいずる//

『好日』2020年6月号より

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箱根山通りで見たアザミ(薊)、棘が美しい。花が待たれる。

ミズキの実はまだ小さく、木が高いのでうまく写せない。ならばいっそのこと空を見上げて(曇りだけど)、、、