詠う(短歌)

短歌:2024年1月「呼吸」

⬆️16:46

桂木の下に散り敷くかつらの葉その香ふくいくふくいく師の香//

気持ちよく息することを苦しめて来たのはマスク或いはこの国//

晩秋に立つ朝霧にあわあわと郷愁まとい人は根に帰す//

会う人もそんなにはもう多くない肌寒い時にでも帰ろうか//

かなしみの宙ぶらりんの身体に昨日と同じ寝る時間来る//

高き木のそよぐ葉音の呼吸とは光合成とう 静か穏やか//

「好日」2024年1月号より(順を入れ替えてあります)

⬆️16:36