詠う(短歌)

短歌:「好日」2023-9《針》

⬆️公孫樹

ガラス窓隔てて母ありこのことを会うと言うのか見るというのか//

仕切り戸を取ってはくれぬ「方針」の「針」にどれほど刺されただろう//

おめでとうという言の葉はこんなにも悲しいことか悔しいことか//

海見ゆる小さな村の境内の碑に納まらぬ戦死者の名、名//

戦死者の名と齡(よわい)あり碑を建てし親たちの名もともに刻める//

おおぜいの若者がいて境内の村の祭は賑わったろう//

「好日」2023年9月号より