歌う

からだ&ことば/野口三千三

歌をむやみに練習しなくなった。むしろ楽譜をテーブルに置いて言葉や音符を眺めたりする時間を楽しむことが増えた。声だけに拘ることより、言葉や曲から来るイメージを広げると、歌う身体もより「楽に」なり、これが自ずと声に現れるだろう、とエラソーなことを言って息抜きしたいのかもしれない。

〈身体だけでなく、言葉だけでなく、身体と言葉をつないで身体感覚を研ぎ澄ます〉というような内容の内田樹の本(8月に読んだはずなんだけど)を探していたら、『野口体操』(羽鳥操著    ちくま文庫)が出てきた。「こんにゃく体操」の生みの親でもあったのだ。野口三千三語録が面白い。

《仮に専門家をよしとするならば、「からだ」と「ことば」に関しては、専門家も非専門家もない。なぜかというと「からだ」と「ことば」に精通することは、自分を知り、他者との関係をよりよいものに築く上で大切なことです。したがってすべての人が、「からだ」と「ことば」の専門家になることは、生きることを確実に豊かにしてくれると私は考えています。》(217,218頁)
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演奏会も近づいて、明日は三ヶ所で練習している合唱の合同練習。