《エール》//
肩甲骨を左右に開き緩めおく 羽がいつ生えてきてもいいように//
今日一つ「恋人つなぎ」の語彙増えて心現れた手ばかりを見つ//
オレンジは斜めに切るのこうしてね切り口がほらはなびらになる//(故山本雅子の声)
流れくる沈丁花の香ふかくふかく吸いこんだ息に生(あ)れよ言の葉//
仙骨にひったり付いて重く今日あると思えり臍下丹田(せいかたんでん)//
脊柱のひとつは苦痛を核とする真珠であるよ輝いてあれ//(伊藤詩織さんへ)
〈屈辱〉の核としてあらむ苦しみのしずくかがやく詩織よ真珠//
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題をエールとしたのは伊藤詩織氏に捧げたいと思う2首を出したから。しかしいちばん思い入れのあった歌は没になって載ったのは1首のみ。無理もない。改作しても(最後の歌)、あれこれまだ自分に言いたいが彼女にエールを送りたい一心で・・・。。。