詠う(短歌)

短歌:2017年8月号より

       【八月】
はじめてのその名ひびけばもういちど梅護寺珠数掛桜(ばいごじじゅずかけざくら)ふりむく

灯りつつ自らとける蝋燭がともらぬままにみぞおちにある

「静寂は酒のごとくに濃くなりゆく」魯迅先生質問がある

八月のあしたの水は清らかとおもえる水はばあちゃんにあげる

戦死した伯父をめぐりて八月の祖父母の無言    わたしを流れる

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一般的には数珠と書くが、この桜の名は「珠数」の字を当てるのだと、新宿御苑で売っていた桜の本に書いてあった。原木があったという阿賀野市のホームページでも同じ字になっていました。


写真:ごーや・ごい(苦瓜)の種。つるつるの皮の下に、動物の骨のようなものがあるとは。外側が真っ赤で美しく、ついつい皮をむいて中を見たくなっての結果。