変化するにちにち

ヴェルディ「レクイエム」(6)本番

アンドレア・バッティストーニ指揮  東京フィルハーモニー交響楽団  2017年2月18日   新宿文化センター  安藤赴美子(ソプラノ)、山下牧子(メゾソプラノ)、村上敏明(テノール)、妻屋 秀和(バス)
 新宿文化センター合唱団(合唱指揮  山神健志)

感動という言葉では収まりきれない体験が言葉とうまく重ならない。それでも自分のために残しておきたくて、選んで選んだ言葉も書いた瞬間に物足りなくなる。「ものすごい体験をした」と常套的なほうがむしろ落ち着く。

最後の「Libera me」の音が完全に消えて、指揮棒を、顔を、天に向けたまま動かぬマエストロ、舞台も聴衆も「時間」も微動だにせず。じーんと震える。

〈人の祈りの美しさ〉。〈究極の祈りの形〉。

マエストロが「何か」をほどき始め、ほどき終わろうとした瞬間、「何か」がほぐれ、拍手がはじまった。

不可思議の體に、震え、意思にあらぬ涙を生ましむ、「いのち」のいとおしさ。

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あ、そうそう!合唱団の解団式が終わって、なんと!なんと!何???マエストロが降りてきてくださる。ソノトキノコトハアマリニモタイセツデイッテハイケマセン!何も覚えていましぇん(黙秘)。

本番前、文化センター3階より外を眺める