詠う(短歌)

短歌 :「好日」’17年2月号より

言葉が面白くなりはじめても生来の怠け者。それでも最近はほんの少し、頑張ることをしている。WEB歌会に刺激されて批評後に頑張って推敲し直した7首。

         <   人にある   >
くらがりは大切なところ母に向き声を荒げしわがうずくまる

ふるさとにて服につきたる枯草の棘ひとつひとつ眺めては捨つ

帰り来て濃くなりてゆくひとつあり衰えし母と争える声

正直はよいことだろうか滑らかに伝わりそうな嘘を言おうか

歌の師中野照子先生へ
たなごころに心あるならむ一心にたなごころ揉む師のたなごころ

左手に金槌のようなスポンジを持ちて右手を打ちすえいしか

人にあるくらやみは胎のやすらかさ明るくあれと励ますなかれ

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歌会で、作者本人が意識し得なかったことを、批評で言われることがある。ぼんやり、または無意識だったものが批評によって浮かび上がり、これが言いたかったのだと鮮明になることがある。

去年11月のWEB歌会のあと、何ヶ月も何年も?抱え込んでいた違和感に〈気づき〉があり、放っておいた一首と〈気づき〉をつないで七首目が生まれた。新しい一首を得て少し変化した自己がある。これがたまらない。明後日26日はWEB歌会。何回目?覚えられない。これもまたたまらん?