歩く母の横から写したのを見ていて驚いた。骨盤が真っ直ぐなのだ。多少脚が、背も少し曲がってはいても骨盤が前傾したり、左右いずれかに傾いたりしていない、アレクサンダーテクニークの見本(?)のように歩いている、目立った癖がない。これはひょっとして物凄いことかも知れない。
実は写真を撮る時にまた、合掌をされて、気のせいかも知れないが母がふっと涙ぐんだように感じられてアップ出来ずにいた写真があったのだ。その時の一枚である。
写真を見ると、母は祖母には似ていないが、祖母の妹だったO婆に最近特に似てきたと感じる。このO婆(父、母方両方の祖母の妹)に私は小さいころ、「サヨノ婆」と呼ばれて、もう一人の妹S婆にも可愛がってもらった。
「サヨノ婆」とは祖母たち六人姉妹の一番姉で私には父方の祖母に当たるが若くして亡くなっているので知らない。なぜそのように呼ばれるのか聞いても誰も教えてくれなかったが何かの時に、「サヨノ婆は鼻が特別に低かった」ことを知ってしまった。それ以来、鼻には(も)強いコンプレックスがある。 今は懐かしいけど。
母に対して悔しい思いをしたことは簡単に思い出せても、可愛がられたという記憶がすぐには思い浮かばないわたしは、祖母の妹二人に可愛がられたというのは心地好く、有難く、大切な思い出である。鼻が低くてよかったとは思わないが。