変化するにちにち

味噌汁を、豊かな時を味わう

「樹くん」の書名「私の身体は頭がいい」を体感している。自然に近い食を欲しているのは頭ではなくて身体。

実家での食は帰った日から即、何の違和感もなく受け付けるが、逆は、わずか三週間弱にもかかわらず、即順応ということにはなってくれない。野菜を見ても「食べたーい」が起こらない。身体がふたたび(事実として再びの思い)鈍化するのを待つのみ。

こういうときは何はさておき味噌汁。ひさびさに炊飯用の土鍋で椎茸と昆布を入れ蛍火でゆっくり出汁をとる。椎茸は、従姉妹が育てて少し干したもの(半分柔らかい)をもらってきた。味噌はすり鉢で丁寧に溶く、片手に乗るこの鉢(他に呼び名があるのかも知れないが)は、手によくなじみ使い心地がよい。

味噌を溶くというゆったりした行為が好きだ、豊かと思える「時」を引き出してくれる。溶きながらMおばさんの、お菓子などではなく、味噌を下さる「きもち」を思うと、身体が静かにじーんとしてくる。

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