変化するにちにち

墓までさんぽ

天気が良いとは言えないが、影はうっすら出来るほどで雨よりずっとまし。

朝からテレビをつけてうとうとしているので散歩の提案をすると墓へ行こうと言う。庭の紫陽花、撫子を切って持っていく。

墓に行って飲ませてきた
途中で電動車に乗ったYaおばさんに会う、「いま墓げ行だで飲ませっした(今、墓に行って飲ませてきた)!」のだそうだ。なんとまぁ!花水を替えてきたと言わず「飲ませる」と言う。花に?誰に?なかなか大した味のある表現力!夜だったら怖くて聞きたくない。(花水を替えるとは地元の言葉だろうか?)

よべのかんなれ
しばらく歩くと、車がクラクション鳴らす。同級生のMさんだ、優しい人だ。
Mさん「昨夜(よべ)は雷(かんなれ)がおどろしかったなぁ(恐ろしいでしたねえ)!「おまや(あなたはの敬語)かんなれはおどろしゅはながったぁ(雷は恐ろしくなかったですか)」。
私「んーにゃ(いいえ)、おや(私は)サッカーを見どったで(見ていたので )、かんなれどごいじゃじゃんかった(雷どころではなかった)」

墓へは車の道と昔の石段があり、墓のさらに上に4、5軒ある。

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健康虫?
帰りに墓から下りて来るとき天道虫がいる。写真を撮ろうと「天道虫がおっでちょっち待っちゃい(ちょっと待って下さい)」と母に言うと「健康虫?そいたいげな虫か(それはどんな虫か)」と聞いてきた。

石段を下りて元屋敷の下を過ぎると、道端で三人語っている。地元の人は「喋る」と言わず「語る」と言う。二人は道端で、もう一人は5,6メートル上の方にある家から身を乗り出して大声で参加、80歳を過ぎているが声の通りは半端ではない、元気な証拠。
母もどっこいしょと座り込む。このあいだ墓で歌い踊った手押し車のYoおばさんは今日も手押し車に座って、「♪あんた百までぇ〜♪わしゃ九十九までぇ〜♪♪♪」案の定?手をつけ足をつけて歌ってしまった。低音で喉声ではなく、ちゃんとした発声?で歌えるのだ思うと羨ましい。

この前=10年ほど前?
そうこうしてたら、電動車のTおばさんが通りかかる。墓へいらっしゃるようだ。鮮やかな花(畑で作っていらっしゃる)を持って。電動車は右側通行?左側?の話になった、Tおばさんは「右側じゃっど(ですよ)、こん前、講習を受けてきた」、「10年ばっかい(くらい)前」とつけ足した。私はおかしくてたまらなかったが誰も笑う人なし。おばあさん時間とおばさん時間の差?Tおばさんは確かもうすぐ90歳のはず。
10年前がこの前か…このような時の感覚、いいなぁ。

墓までの往復は命の洗濯になった。