変化するにちにち

内田樹『私の身体は頭がいい』

内田樹の本にはかならず身体のことが出てきて、歌う身体に対し少しくらいの不安があっても安心に変換してくれる。

なかなか言葉にできないもどかしさの中で同じところを繰り返し読み、今ようやく少し書けるところまで身体に入ったとの思い。

⬇️『私の身体は頭がいい』より

武道的な「語法」はたしかに効果的である。ただし武道の伝書を読んでも「分からなかったことが分かる」ということは原理的には起こらない。「すでに身体に刷り込まれたこと」が意識化されるだけである。「身体が知らないこと」はいくら本を読んでも会得できない(136頁)

でも、「よく分からない」ことを学びながら、それを「謎解き」することは私にとって何ものにも代えがたい知的愉悦の経験なのである(203,4頁)

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歌の練習で身体感覚だけに頼ると、明日も同じ感覚に辿りつけるか不安がある。ものすごくある。歳が歳だけに。

友は「身体の構造を少しでも理解すれば、ダイレクトにそこ(同じところ)に行ける」と言う。

感覚と構造の理解、言葉の相乗効果は精神の安定にもつながるのか、身体が「分からない」に満ちながら、小舟に揺られている心地好さがある。

ここのところフツフツしながら換言できずにいた〈からだのおもい〉って、内田樹の言葉そのものだったと実感するし、また力になってくれる。「身体の構造の理解」を言う友の言葉とともに。