朗読をやっている友人がちょうど練習しているのが太宰治「魚服記」。いいタイミング、彼女を誘って〈北とぴあ〉まで行く。「魚服記」と芥川龍之介「ピアノ」他を聞いた。
〈かたりと〉代表の北原久仁香の言葉、「原作第一、派手な演出はせず、身体ひとつで舞台に立つ」が頷ける。
本は持たない。舞台には椅子があるだけ。座ったり、時に立って、物語を溶かし込んだ身体から、解釈の妙を聞かせてくれる。
声音の変化は微細な動きから、自然、不自然の境界ぎりぎりに持っていくところまで自在に使い分けられていて、客席は完全に読み手の掌中にある感じ。
太宰はどうも苦手だけど、芥川「ピアノ」はじんわり芯まで沁みいる。
北原久仁香氏に2、3回朗読を習ったことがある。村上春樹の超短編「牛乳」だ。だがあまりに?難しい。介護帰省などで忙しいなどなど理由付けしてギブアップした気がする。
あーーーまた朗読をはじめたい気分。