「風のことを考えよう」は、『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』の〈前書き〉にあったと思い込んでいた。
探してもない・・・そういえばこの文庫本を取る前に、どれを持って行こうかと彼の単行本をペラペラとめくって、軽いほうを選んだのだと思い出した。
単行本の『村上春樹 雑文集』をめくったらすぐに探していた文に行きついた。
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「トルーマン・カポーティの「最後の扉を閉めろ」の最後の一節が頭にこびりついてしまった。こんな文章だ」(344頁)
〈そして彼は枕に頭を押しつけ、両手で耳を覆い、こう思った。何でもないことだけを考えよう。風のことを考えよう、と〉
「そんなわけで、何かつらいことや悲しいことがあるたびに、僕はいつもその一節を自動的に思い起こすことになった。……そして目を閉じ、心を閉ざし、風のことだけを考えた。いろんな場所に吹く風を。いろんな温度の、いろんな匂いの風を」(345頁)
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村上春樹って子どものような、 いいえ大人のような(だろうか)純な魂(だろうか)が、大変なときも何かがきらきら輝いている。暗さに支えられたような眩しい光、そこが堪らない。
文庫本では、故河合隼雄が村上の言葉を大きく包みこんでいてさすが。また両者の率直な言葉のやりとりが心地よい。
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〈森の径〉突き当たりを左へ曲がると大久保通りに、右へ坂を上がると明治通りに出る♪
写真の文庫本を持ってシニア館に行く。テレビの音でうるさい時もあるし、今日のように人が少ない日もある♪
18:15
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