変化するにちにち

李白、阿倍仲麻呂を悼む

題は「哭晁卿衡・晁卿衡(ちょうけいこう)を哭す」。晁衡(ちょうこう)は仲麻呂の中国名。卿(けい)は官職名とのこと。唐朝に仕えて35年余り滞在したのち、帰国する船が難破して、ベトナムに漂着し、そのまま長安にひき返し再び日本には帰らなかった。

//天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも// 阿倍仲麻呂

李白《哭晁卿衡》<晁卿衡を哭す>

日本晁卿辭帝都<日本の晁卿帝都を辞し>

征帆一片遶蓬壺<征帆一片蓬壺を遶(めぐ)る>

明月不歸沈碧海<名月帰らず碧海に沈み>

白雲愁色滿蒼梧<白雲秋色蒼梧(そうご)に満つ>

李白のこの詩を何年もアップできなかったのは「名月」の解釈、解説に戸惑ったまま今まできてしまったから。『漢詩一日一首〈秋〉』の著者である一海知義が、従来の解釈をいくつも挙げているがいずれも無理があるようでピンと来ない。

短歌を詠む人ならば、「名月」が阿倍仲麻呂その人を指していると解釈するだろう。陳舜臣も書いていたのでは? 図書館で借りてきた。以下・・・内が抜粋した引用です。

・・・・・蓬壺(ほうこ)は東海にあるといわれた伝説上の島で、仙人が住むと信じられています。仲麻呂の舟がそこをぐるぐるまわって、とうとう帰って来なかった。「名月」が仲麻呂を指すのは言うまでもありません。

蒼梧は中国の東南部の海岸地方を、漠然と呼んだ名です。中国の喪服は白です。白雲は喪を連想させます。(154頁)・・・・・

「仲麻呂を指すのは言うまでもありません」の断言は、色々な解釈を踏まえたうえでのことであろう。簡潔で胸のすく思い。

・・・・・・・図書館で借りたもう一冊、『中国文学館』黎波

中国語を習いはじめのころ応用編で、黎波(レイハ)という先生が、巴金『随想録』を講義されていた。音を楽しむ為に聞いていたので、内容は分からなかったが、語り口に魅了された。

歯切れがよく語彙が豊富、中国訛りだったが内容が濃く深く初めて聞く世界があったと記憶する。この本は繰り返し借りて読むが独特の文体。まだまだ三分の一ほども理解は出来ていないが、わからなくても読まてしまう味わいがある。

書きたいと思いつづけて何年? まとまりがなく中途半端だけど、今のところこれで精一杯。

拙文を最後までお読みくださってありがとうございます❣️

大切なことが脱けていました。『漢詩一日一首〈秋〉』(平凡社ライブラリ)、『中国詩人伝』(講談社)にも、阿倍仲麻呂溺死と誤って李白のもとへも伝わったのだろうと記されています。