ケヤキ(欅)、高木で秋の枯葉しか見上げたことがなかった。風で吹き寄せられて、花の絨毯ができている。桜ではないし、何だろうと思って歩いていたら、ケヤキの花だった。折れた枝が花を付けたまま落ちている。風が強い。
やわらかい枝を束にできるほど拾いながら、野原にいるような感覚。
柔らかい枝を拾っては眺め、拾っては眺めする一瞬一瞬、草や木と一体化するような感覚は初めてのもの。あ! 歌が来た。好日東京支社の柱だった亡き山本雅子の一首、歌集名でもある。
《独り居の山の日暮れは時計さえ止まりてわれも一茎(いっけい)の草》
(山本雅子歌集『一茎の草』より)
初句の表記が違うかもしれません。4/6 追記: 「止まりて」でした(………)
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