詠う(短歌)

短歌:沈壽官窯 ’18年1月号

       沈壽官窯

十四代は九十一歳「歳とって字も忘るっ」と電子辞書持ちます

渡り来て四百年の光陰(ひかりかげ)    海を見渡す玉山神社

右足を踏み出す初代当吉の〈生きる〉を造る十五代壽官

韓服の当吉の像   右足を前に踏み出す   ここにて生きる

庭先の十五代沈壽官氏は骨太の面直ぐに立ちいます

黒薩摩に滲む緋の色    四百年を生き繼ぎて沈壽官家十五代

4首目の初句は、「好日」では「苦しみて」となっている。主観の丸出しで当吉に対しても失礼、「韓服」と直した。

失礼な発想、余計な思い込みは取っ払ったつもり、ではあるが分からない。

沈壽官陶苑全体が非常に空気が澄んで、清涼感に覆われている。毎朝、総出で苑全体を掃いていると聞いた。