歌う

頭、椎骨の上で動く

内田樹が、合気道の師匠「多田先生」に出会った幸運を繰り返し書いているが、「出会って幸運」という思いに共感する。対処療法ではなく、一生ものとしての言葉を投げかけてくださるレッスンの師、若いが私にとってはまさに「老師」だ。また気づけば周りに新しい友人、古くからの友人と多くつながっていることに気づく。

木曜日は西荻窪へ。友人が講師のアレクサンダーテクニークのワークショップに参加。「動く頭」の微妙な位置、椎骨にどのように頭を乗せるのか、これでいいのかな状態から確認へ。身体の空間がよりはっきり結びつき、多くの疑問が新たに生まれる。どうやって息を吐くか。

4時前に終わって、夕食の支度が気になりながら、〈ちょっとビール一杯〉の誘惑に嬉々として乗ってしまう。身体の専門家(近すぎて今まであまり考えなかった)といて、身体の話ができる、幸せなひととき。人生の転換点では彼女にいつも助けてもらった。

「カラダのここが定まると自ずとここも、ここも定まるよね」という分かったような分からないような珍問にも、そうだよそうだよ!と応じてくれる。そして話はともに敬愛する内田樹氏へ移る。神戸女学院大学名誉教授、フランス現代思想の専門家が身体について書くのだ、「たまらんわい!」である。