すずかけの花知れるやと問はれしを思ひ出づその幼な実の下
(米田登歌集『時空界面』より)
好日の亡き米田登先生のこの歌を知ったのはいつ頃だろう。先生の歌は新かなだと思い込んでいて失礼なことをした。旧かな遣いだ。
ゆるやかな助走から下句で一気にリズムの流れに乗せられる。何よりもふくらみが豊か。この歌に出会って以来すずかけの実を、花を見たいと思い続けてきた。去年の秋、初めて実に気づいた。木が高くていつもはよく(ほとんど)見えない。
先日の風の強い日、実がいっぱい落ちているはずと箱根山の下の「森の径」をさらに下りて行ってみる。大きい実も小さいのも落ちている。
⬇️真ん中の緑色が今年の実、木には緑色の実と去年からある茶色の大きい実が下がっている。
⬇️一週間前の大雨の翌日に見たもの。割れたのが落ちていた。一つ一つがタンポポの綿毛に似ている。まるで花のよう。花?ネットでは花の写真が見つけられなかった。実を、花だと書いてあるのもあった。
図書館でも調べたのだが、意味が分からない。分かりやすくないのか、単純に読む側の頭のレベルなのか。痩果、頭状花序という言葉も初めて知った。よく分からぬまま。
区役所に問い合わせ、都に、深大寺植物園に、さらに、更に……林試の森公園。そこに行ったら花も実も写真で見られます、肉眼では双眼鏡がないと見えないと思います、と丁寧に教えてくださった。品川区になるらしい。まだ行ってない。ちゃんと調べてからと思って一週間、ええいもう!と分からぬままアップすることに。
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