それは鎖骨への意識からやってきた。鎖骨そのものの意識は今までもあったが、鎖骨から肩胛骨へ、骨盤、腰、足の裏まで、立ち方がおのずから定まる感覚。ばらばら、部分部分でしかなかった「からだ」が一つになった。そして息が楽に吐けて声がうろうろしなくなった。わが短い首もすーっと伸びる感覚。気持ちよく歩けるー!
能楽師、安田登風に言えば、続けていればある日とつぜん柵の外に飛び出す、ということだろう。
米沢唯さん
これは絶対、米沢唯さんの「立ち姿」を見たこととも関係していると思う。彼女は新国立劇場のバレエダンサーで、ここ一週間ずっと読んでいた本の著者、竹内敏晴氏のお嬢さんだという。肩がすとーんと落ちて首のライン、「立ち姿」が美しいのなんのって。
図書館へ。前日、館内図書整理日で休館だったのでリサイクル本が出ているに違いない。るんるん階段を上がってリサイクル本コーナーへ。あったあった。「樹くん」の『下流志向』(講談社)があった。いただき!こういうことってあるんですね。
鎖骨について書き始め、「樹くん」で「結」に至る、が、纏まっていなくもない。
竹内敏晴も安田登も「樹くん」の本を介して知ったのだから。