「ペコロスの母に会いに行く」, 変化するにちにち

♢「続・ペコロスの母に会いに行く」読後感(15) ♢

みつえさんの毒舌絶好調
今週は毒舌絶好調のみつえさんが登場。散歩の途中に見る亡き「父ちゃん」(夫)に向かって「ゆーいちのよー来てくるっとですばい」「なんばせびりたかとでしょうか」と笑わせる(来てくるっと→来てくれる、せびる→ねだる、の註あり)。ブラックユーモアで照れを隠し、悲しいことも笑い笑わせて生きる独特の文化である。これがあってこその「続・ペコロス・・・」、みつえさんの健全な毒舌は毎週登場願いたい。忘れるということで行動などが世間一般と大きく外れてしまって「認知症」の病名がついたとしても、脳のどこかにはっきりしている感情などの部分部分があって、みつえさんのこのような言葉が生まれるのだろう。「わいたちゃ もっと 考(かんげ)んか!」と叱り飛ばされそうである。

わが母のこと
母はデイサービスのない日に来て下さるヘルパーさんを、町からお茶飲みに遊びに来る人だと勘違いしていて、「ちょいちょい遊(あす)んけござっと」(しょっちゅう遊びにいらっしゃる)、忙しいのに大変と私たち子には言う。あまり会いたくない日もあるようで逃げて(?)墓に行ったりする(墓に行くと誰かに会えてそこで話し込む)。ヘルパーさんのノートを見ると「お墓まで迎えに行きました」と書いてあることが多い。母が認知症になってよかったと思うことが今二つある。「笑顔」と「ありがとう」が多くて昔のように緊張しなくても良く、それ以上に実家が心地よく思えるようになったこと、もう一つは兄の病気を知らないことである、複雑である。