変化するにちにち, 母とともに(介護帰省・鹿児島)

親子ラジオの放送

平成の世の桃源郷、そう思える時間
今もこのように「親子ラジオ」と言うのかは知らないが、各部落(区)のそれぞれの家に親子ラジオというものがあり、常にスイッチが入った状態になっていて村のお知らせが放送される。「12月◯日から◯日までAマートで安売りがあります……」「来週お寺で午後、報恩講の講話がありますので皆様どうぞ……。」と、夕食後に放送があった。江戸時代より禁じられていた念仏を代々「隠れ念仏」として継いで来た土地である。実家を離れて40年も経てば何だか不思議な感覚。平成の世の桃源郷は言い過ぎでも私にとってはそう思えるひとときである。

月命日には精進汁
「今日はだれだれの命日だから」と言う母は、誰かの月命日には特別のお経をあげて、朝は肉魚類は摂らない。昔からいりこ出汁で味噌汁を作っていた母は、精進する日は味噌汁なしで来たのだろうか?私が作った味噌汁を昆布椎茸で作った精進汁と説明しても、それで出汁が出るはずがないと言って頑なであったりする。今日、父方の祖母の月命日(父方の祖母と母方の祖母は姉妹である)であったが納得したのかすんなり食べてくれた。