詠う(短歌)

短歌:2022-10「廃戦記念日」

大地より天よりもらう息よ息、身の深きところに生まれますように//

声として生まれる息のみなもとへ臓腑のさらに下の大地へ//

届きたる盛夏号『通販生活』の表紙に座る「廃戦記念日」//

「魚(いお)の餌なってしまって兄(あん)さんはまことに哀れ二十五だった」//

もし母の記憶より伯父が消えたならふたたび死んでしまう戦死者//

「好日」2022年10月号より

2首を捨てて、ルビを振り、題も変えました。