一回の休みでも気持ち的にはひと月のように長く待った感じで合唱に行く。マスクして歌うことが去年ほど窮屈だとは感じない、それは感覚の鈍りで、これに慣れてはいけない。
プロのオペラ歌手が発声についてYouTubeで語ってくれる。掴んだと思ってはすり抜け、掴んだと思ってはすり抜けるが何回もあり、今もあり、「これでよし」はないだろうと。
この言葉に大きな安心感を得る。発声についてはまさに〈掴んだと思っては消え〉を繰り返して、スタートラインにも立てていない思いがずっとあった。今はわずかの変化を楽しめる。
ゴールのない〈歌の旅〉の途上を楽しむ。日々、身体とともにある命が弾み、命が愛おしくなる。書いているうちにだんだん言いたいことが行方不明になりそうだ。