どんなに暑くてもお盆が過ぎると風が生まれ、木の葉に音があり、光が変わる気がする。
8月は一年でもっとも静かに過ごしたい月。お盆を過ごした祖父母の思い出が多く詰まっている。祖父母の家の仏間には白い服の〈海軍さん〉の写真があった。
〈海軍さん〉と祖父は言ってたが、戦死した息子の名を口にしただけで抑えきれないものがあって、距離を置くためにこのように呼んでいたのだろうか。
庭から見える海の夕日に向かって、合掌していた祖父を思い出す。なぜか褌姿なのだ。
「短歌時評」に思いのほか手こずって、大切な八月をただウロウロして、静かに色々なことに思いを馳せるにはほど遠かった。でもあと何日かは残っている。
コメントを投稿するにはログインしてください。