新宿の戸山公園は紅葉が見ごろ、箱根山の楓はこれからが紅葉する。山の下を通って早稲田へ。図書館で借りた内田樹の本二冊持って。
なぜかというと二、三日前ブックオフでこの二冊を見たのだ。『日本の文脈』は読んだことがないし、『呪いの時代』(文庫本が出ていた)は難解で放り出した記憶がある。
まずユニカフェで『日本の文脈』(内田樹、中沢新一)読む。最初から身体について語られていて難しいけど実感として頷ける。対談本はあまり好きではないが二人の呼吸が合っていてやりとりが自然で同じ空間にいるような感覚。釈徹宗氏も登場する。
中沢新一氏の「まえがき」の一部では、「今日のアングロサクソン型グローバル資本主義」に対し、こんなことが語られる。「僕らが旗印に掲げるのは、ヤンバルクイナやらニホンタヌキやら、いずれもおとなしくていささか迫力に欠ける在来種の動物たちを思わせる、辺境国家に息づいてきた価値観である。笑いたければ笑うがいい。日本に息づいてきたこの価値観や思想には、人類という生き物の普遍性が、たくましく生き続けているのだ。」
「呼吸法とは何か」については、ユダヤ教について内田樹の書いたものは東洋的と感じると同時に言葉が身体を通って出てきてる(中沢新一氏の言葉)など、最初からこの本は、もう絶対面白いよと言ってくれている。
やはりブックオフに行こうと決意。まだ売れずにそこに静かにあった。「お待たせ」とは言わなかったがそのような気持ち。三分の一の値段で帯までついて初版である。
帰ってから丁寧にぱらぱら捲ってみる、『日本の文脈』(角川書店)に『呪いの時代』の「新潮社売上カード」(文庫本ではなく単行本のカードだ)が挟んである。ああこの本をブックオフに出してくれた人は「樹くん」の本を二冊一緒に買うほど好きなんだ、カードは捨てずに栞にして残しておこう。顔の見えない出会いである。
⬇️大隈講堂、ここの一階で明日「時代の危機と向き合う短歌」の緊急シンポジウムがある。最初は地下と書いてあったが、変更になったと知る。東京新聞に掲載されたので人が急に増えたのだろうか。この向かいにカフェがある。
⬇️大隈庭園、二時過ぎでも日陰部分が多く、暖かい割には人は多くない。
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