変化するにちにち

緊急シンポジウム「時代の危機と向き合う短歌」に参加して

今朝の東京新聞社会面にも「言葉の危機。言葉こそ民主主義の根幹」の見出しで掲載されている。参加者三百九十人とある。案内では定員三百名、早稲田大学大隈小講堂だったが、大講堂に変更されていた。十二月六日(日曜日)一時から、休憩十五分を挟んでの五時まで。

頭ではわかっているつもりでいても、言葉も、そして場の空気も、体感してこそのものと身に沁みいる。

提言*佐佐木幸綱(三枝昂之に当日変更あり)
講演*永田和宏
ミニトーク*今野寿美
パネルディスカッション
司会*吉川宏志
パネラー*染野太朗・田村元・三原由紀子

とりわけ全身に響いたのは、永田和宏氏の一時間半にわたる講演。一旦出した言葉にも考え迷いながらの、訥々とした語り口に心打たれる。

言葉が届くというのは、「私には言いたいこと、言わねばならぬことがある」という強い思いだと内田樹は言う(『呪いの時代』新潮社)。そのような強い思いを、「身をよじるようにして語る」永田和宏に感じた。

大講堂での空気がまだ身体に充満していて、ほいほいと言葉にはならない。思いばかりが膨らんでまだ沈静状態にない。

わがことを顧みれば、2011年3月11日を境に、一旦は言葉を失った状態から、変化しなければとの思いで必死だったが、今はどうかと突きつけられている。