変化するにちにち

「日の斑にまみるる」米田登先生の歌

20日
朝、合唱の練習会場を申込みに行っての帰りに、東新宿の静かな空間に身を置く。光、風、空を満喫。

4時近く、葉桜の坂道を上る。光と影が柔らかに揺れる日の斑を眺めていたら、あ、米田登先生の歌、これが「音なふ」ということだろうか。

《 かなしみに溺れきれねば葉桜の陰を来たりて日の斑にまみるる 》

意識して覚えたつもりはなかったが下句がまず、最後に上句もやってきた。
ここは桜が多いが、近くに鈴懸の大きな樹もある。相聞歌のような次の一首は、樹のそばを通るたびに思い出す、というよりすでに樹と先生の歌と一対になっている。

《 すずかけの花知れるやと問はれしを思ひ出づその幼な実の下 》

登先生の抒情歌が好きだ。やわらかさ、やさしさ、せつなさなどが綯い交ぜになってズーンと身体を下りていく。

梅雨の晴れ間の豊かなひととき……。

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