《詠う》 《見上ぐれば花の上かぎりあらぬ空 後悔はそこに投げ返さるる》
1982年『短歌現代』12月号が出てきた。誌上に三首、好日の米田登先生が紹介してくださっている。無頓著なわりにこの本だけ残していたようだ。第一歌集を編む際に見落としたのだろうか、他の二首はあるがこの歌は入っていない。
好日新人賞の応募作品の歌かと思うがはっきりしない。一生懸命に頑張って生きていて苦痛だった20代、30代、思い入れの強い大切な一首である。桜の歌、何か足りないとの思いがずっとあった、この歌だったのだ。見つかって(再会できて)よかったぁー。
一首の力の不思議を思う、当時の思いが凝縮、パンパンに膨らんだ31文字の風船に針を刺した一瞬、爆発して当時が散乱する。
今日は憲法記念日。