変化するにちにち

内田樹著『街場の戦争論」を借りずに買う

いつもは図書館で借りるか、ブックオフで安く買うかであるが、題が題であるだけに悩んだ。東京新聞「書く人」欄のインタビューを読み、力が入っていると感じた。ならばサインが…と邪な根性でネットで調べたらサイン会はすでに終わっていた。

店員さん! もっと目立つところに置いて下さい!
17日(月曜日)本屋へ、入り口付近ではあるが、高く積まれた別の本と本の谷間、目立たぬ場所にあった。店員さん! もっと目立つところに置いて下さい!とは言えず買う前にちょっと立ち読み(いやな性格)「まえがき」を拝読、ここを読んでもう迷いはない。カバーまでつけてもらって大切に抱えて帰ってきた。サインがほしいなぁ。

どんなに難解でも、続けて読めば文体に必ず慣れる
私にとってはこの本は特に難解極まりないだろうと想像する。それはもちろん文体のせいもあるが、自分が避けて来たものが書かれているからでもあろう。でも今のこの何か危ないと不安を抱く時期に避けてばかりではすまない。もともと内田樹の身体ついて書かれた本を何冊も読み続けるうちにもっと読みたくなって、他のジャンルにも手を出してしまった(難解とも知らずに)というのが正直なところである。「どんなに難解な本でも、一、二週間毎日毎日少しでも続けて読めば文体に必ず慣れてくる」との彼の言葉をひたすら信じて読み続ける。

人間の心も身体も景観によって作られている
〈昭和二十年の空襲で、日本の町並みは壊滅的な被害を受けて街の表情は一変し、それと同時に日本人そのものも変えてしまった。〉との論の後「景観を軽んじることはできません。人間の心も身体も景観によって作られているからです」と続く(39頁)。私は内田樹のこういうところが好きである、また信頼できると思う。難しくてたまらない論も身体に繋がれば途端に解りやすくなる。所々、こういう人間の本質に関わる身体を通したものが出てきて腑に落ちる。

時々、内田樹を読みたくなるのは自己確認するためであるのかも知れない。