変化するにちにち, 母とともに(介護帰省・鹿児島)

《詠う》:両手振り見送る母を置き去った ひと月のちも母が手を振る

2013年『好日』9月号より
いつも母は家の近くの橋に立って見送ってくれるが、この時(2013年6月)は義妹が駅まで送ってくれて母とホームで見送ってくれた。「肥薩おれんじ鉄道」の走る無人駅である。

九州新幹線が鹿児島まで開通して、それまでのJRから外れ、おれんじ鉄道の私鉄になった。ホームからは海が見える。車両の後ろの窓際に立って、ホームで両手を振って見送る母といもうとを見ながら遠ざかっていくのはかなり内面に堪えた。

東京に帰ってきてからも、いつもいつもホームで手を振っている母といもうとがいるような感じがした。

今朝も一時間お茶出しのボランティアへ
認知症の方であろうか、玄関のところで「お久しぶり!」というように大きく手を振っての挨拶。好い笑顔を見せて下さる。わが母も認知症になっていい笑顔が見られるようになった。色々なことを思い出す。
11月15日(土曜日)、ハイドン「四季」のコンサートが終わったらまた帰ろうと思う。