詠う(短歌)

短歌:「好日」2024年3月号より

⬆️小雨の日の土佐水木

「わたしの歌」//

ひさかたのひかりの中にきらきらと兄弟が寄る兄の七回忌//

兄の忌に集まるわれら兄弟に残れる「時の光」濃くあれ//

落ちるなき玉の一雫(ひとしずく)身体を成すという水に混じりておらむ//

終点の筑波まで行けば病院に兄がいそうな気はもうしない//

歳月の日差しの中ですこしずつ人の不在の悲は褪せてゆく//

兄の忌の明くる朝(あした)のブラームス「わたしの歌」の鐘鳴り止まず//

改作、又、順を入れ変えててあります。

・トサミズキ

・い・き・て・い・る・