詠う(短歌)

短歌:2022-9《震え》

向日葵はここに立つかぎりその影も歪むことなくゆらゆら自由、か。//

のほほん立つ日日(にちにち)のニッポンの私よいったいどこを見ている //

爆撃が突然来たらこの場所も、わたしも黒くくずおれる壊れる //

新しい駅が生まれてスピードも速くなりたり故郷は遠し //

住職も坊守さんもわが顔はわからぬだろう母が名を告ぐ //

楠(くす)のみで音は生まれず風のみで生まれもしない 出遇いは震え //

「好日」2022年9月号より