あまりにもよい天気、昼過ぎに外に出たら急に千鳥ヶ淵に行きたくなった、夏にも行っていないし……、方向転換する。今ごろ桜を見に?冬の桜は枝に気が感じられる。それよりも千鳥ヶ淵戦没者墓苑に行きたい。歩くつもりで早稲田駅ではなく曙橋駅方向へ。結局は地下鉄に乗ってしまう。
靖国通りから左に折れて小径に入るとほとんどの桜が傾いていて、どの木にも支えを施してある。
烏瓜が映えている。枝の下のクッションの置き方がいい、桜が傷つかないようにとの心がある。それにしてもここまで、根元より下に垂れている。
この中に六角堂がある。菊の花が並べてあって100円入れて一輪買える。いつも白ではなく黄色を選んで戦死した伯父に手向ける、写真でしか知らない伯父。祖父母の代わりに、母の代わりにせめて〈黄色の元気な盛りの菊〉をと思うのだ、これが唯一わたしにできること。
合掌すると皮膚がジーンとして身体から霧のようなものが湧き広がっていく感じ、こういう感覚になるのははじめて。
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