変化するにちにち

歌の師(中野照子・追記)

前々日になって京都に寄って先生にお会いして帰ろうと決めた。実家に2週間いると精神も大きく揺れやすい。今までの私なら、寄れない理由をいっぱい並べて帰っていたかもしれない。でも疲れより会いたい気持ちのほうが強い。突然なのにいつも快く、車で迎えに来てくれる歌友がいる。

12時少し前に京都に着く。コインロッカーが空いているのがない。地下に行ってみる。鍵が付いているのがない…、鍵ではない。画面にタッチ!ロッカー番号を入力して……???うそーっ!と独り言を言ってしまったかも。見回して、若く親切そうな表情の人を探す、こういうときは必ず直感が働いて大当たりとなる。ありがとう!

先生の顔、ホントに両手を広げて駆けよって来てくださって互いに抱きつく。冗談ばかり言って3人で笑って笑って、美味しいものもあってゆっくり3時間。友が持参した桜、椿などを活けられる。「軍配なずな」という初めて聞く名の花もある、種が軍配の形をしているのだと、なるほど、よく見てみる。大きい枝を撓める先生の腕の強さ、見てはらはらするほうがアホ?「技」もつ人の確かさ、先生の細い腕に大きな力あり。

歌の話になるとお聞きしたいことがいっぱいある。「先生………?」「これから長く生きるでしょう、今勉強するのよ!」「……」。声に張りがある、溌剌として力強い。先生の話を聞いていて思うのは、毎月何回も先生のところに行く歌友のHiさんのこと。先生に必要なことを出来得る限り引き受けている。

風が強く寒いので先生には中で見送っていただく。また来ますと先生をしっかり抱きしめる。