中野照子先生追悼文
「好日」4月号が届いた。中野照子追悼特集号である。400字以内ということで私も書かせていただいた。しかし自分の文なのに読みにくい。 もちろん長ければ思いが伝わるというものではないが、あれもこれも書きたい思いばかり溢れて、… もっと読む 中野照子先生追悼文
「好日」4月号が届いた。中野照子追悼特集号である。400字以内ということで私も書かせていただいた。しかし自分の文なのに読みにくい。 もちろん長ければ思いが伝わるというものではないが、あれもこれも書きたい思いばかり溢れて、… もっと読む 中野照子先生追悼文
《音なふ》// 兄弟がひとり足りない不可思議の空間残る兄の三回忌// 行き先の天空橋という駅のその先の先 虹たつところ// 大切な人の声とはなつかしき過去形ならず今を「音なふ」// 初春の光のもとで開く本の青色のインク… もっと読む 短歌:好日2020年3月号より
《五年前のマフラー》 《母の記憶ひとつ消えしか「弟が死んだそうだ」と言うようになる》 《ちょっと世間を眺めてくると腰掛けを抱えて母は庭へおりゆく》 《母の言う世間とはやがて去るこの世「アーナンダよヴェーサーリーは楽… もっと読む 短歌:2020年2月号より
13時から15時まで。ひとり2、3首プリントして批評。ボードにいつも書くYさんは、ノート忘れた、思い出せないと言う。他人事とは思えません。 余計な言葉を削って、いつも同じような批評だけど、自分の歌は見えないから仕方なし。… もっと読む 好日東京支社歌会(2020年2月)
「好日」2020年1月号は私は欠詠。まるでそれを見透かしたように、先生がわたしのことを1月号で詠んでくださっている。 先生は去年11月に逝かれた。発破をかけられている心持ち。 年に3回ほど、九州に介護帰省する折に、ここ3… もっと読む 中野照子の歌(好日2020年1月号)
新年歌会と書けば華やかなイメージだけどメンバーは4人のみ。 遠くの伊勢丹より近くのコンビニ、お弁当を予約しておいた。 値は張るけど「新年だし、いいんじゃない」、食いしん坊の了解も得ていたので二段重を受け取っていそいそ地域… もっと読む 20.01//好日東京支社歌会
脊柱 // 暑い日は空調を消し目を閉じてランゲルハンス島へ避難せよ// 墓参りせぬ八月の盂蘭盆は「拝み洗い」で米を研ぐなり// ふるさとの水の流れの音のように脊柱いつも清らかにあれ// 干からびた蚯蚓(みみず)つぶれた油… もっと読む 短歌:好日2019年10月号より
窓の外側 // 《 見かけなくなった九階のあの人の郵便受けが塞がれている 》// 《 ひかりよひかり水に来て水はかがやき人に来て濃淡のなき影を見さしむ// (改) 《 ひさかたのひかりのどけく人に来て意思にあらざる影を見… もっと読む 短歌:<好日>2019年9月号
《ご飯あるかしら》// 高層のビルを消しさる六月の煙雨うつくし霧消いざなう// てのひらは大切直接言えなくて口をおおっておまえに放つ// 一千百一七メートル地下からの水というボトルの水はうましも// ご飯まだあるかしら明… もっと読む 短歌:<好日>2019年8月号
詠う。身に添うと思えるまで言葉を探す。砂浜で砂をかき出すように掘り進んでいくと、 砂の底に水が滲み出てくるように言葉が現れる瞬間がある。こんまり流に言うなら息を吸う瞬間である。 一曲に向き合う。言葉はもともとそこにあるだ… もっと読む 詠う・歌う