短歌:「好日」2021年2月号より
《故郷》// 「故郷とは思い出である」声ふかき姜尚中氏一人を生かしき// 2020年帰れぬ心ふるさとと呼ばず故郷(こきょう)の思いがなじむ// はつか澱む身を浄化するものとして朝あたら… もっと読む 短歌:「好日」2021年2月号より
《故郷》// 「故郷とは思い出である」声ふかき姜尚中氏一人を生かしき// 2020年帰れぬ心ふるさとと呼ばず故郷(こきょう)の思いがなじむ// はつか澱む身を浄化するものとして朝あたら… もっと読む 短歌:「好日」2021年2月号より
淡青(たんじょう)// 夢に見る背の羽出(い)だし海に沿い水平飛行す母のもとまで// 両手もてまず片足をゆっくりと撫でつつ今日の身を目覚めさす// 内臓まで秋刀魚を食らう君の腑でプラスチックが舞っているかも//… もっと読む 短歌:好日2021年1月号より
《時不利兮騅不逝》// 淡青(たんじょう)の四角い皿の一点の染みを見ている義父逝きし朝// 上海で二週間の隔離有るという「時に利あらずして騅(スイ)逝かず」// 感染をしても覚悟はあるけれど感染させる私でもある// 悲し… もっと読む 短歌:好日2020年12月号より
海 // 戦死した息子のことをじいさんが「海軍さん」と呼ぶのはなぜか// じいさまは「海軍さん」の前に座し経読みいます音吐朗朗// 戦死した人たちの骨はすでに溶けて海である海そのものである// 日の沈む海に向かってじいさ… もっと読む 短歌:好日2020年11月号より
《 一行 》 2020年八月六日朝刊の一面に見えず広島のこと // コロナ禍で面会できない一行を忘れては苦しむ母かもしれず // 上を向いて歩こう涙こぼれてもいいから上を向いて歩こう // 八月を目… もっと読む 短歌:好日2020年10月号より
《 括弧(かっこ)を外す 》 一枚といえども異物マスクしていったん吐いた息を吸い込む// 歌舞伎町でもし働いているとしたら、「夜の街」から「」(かっこ)を外す// むりやりに押しつけられたマスクにはあらねど愛しき空気を隔… もっと読む 短歌:好日2020年9月号より
この春を死無型転無憂医流水(シンガタコロナウイルス)と書きて「自粛」を私より消す// 「面会の禁止」つづけど夏帽子かぶれば母と語らう心地す// さまざまの形のマスク生まれるは「まだ生きたい」という意思表示// 信号を待… もっと読む 短歌:2020-8マスクを外す
《 見ゆ 》 2020年「未知なるもの」が現れて春を丸ごと摘む夢を見た// ゆりの木がなぜ百合の木か遠くより一本直ぐにそびゆるが見ゆ// 見えるはずなけれど遠くに白き花 昨日立ち止まり見上げし水木// 一つところに動かず… もっと読む 短歌:好日2020年7月号より
2020年マスクをつけて砂のような煙のような息吐いている// 桜蕊(さくらしべ)落ちて地にあり三月に見上げいてそこに見えざりしもの// わが生める歌にはあらず いただける身を成す水の華でこそあれ// 十五分歩けば漱石山房… もっと読む 短歌:2020-6〈水の華〉
つづくべき平和、日常「ここでいったん腹を括って」合唱に行く// 病院にこのままいたい「行く日」までここにおりたい母は呟く// もう家に帰りたくないここに居てお喋りしながらご飯を食べる// まっすぐに花立ちあがる春が来て彼… もっと読む 短歌:2020-5〈ご飯を食べる〉