短歌:2021-12《雨おりる》
もう少し考えてから決めようか 現状維持はつまらないけど// これもまた生きゆく芯となりそうで一筋の紅(べに)を白髪に流す// おかあさん逃げよう、水が来る、はやく! 夢の続きの現(うつつ)茫茫// 叫ぶ蝉、鳴いていた蝉… もっと読む 短歌:2021-12《雨おりる》
もう少し考えてから決めようか 現状維持はつまらないけど// これもまた生きゆく芯となりそうで一筋の紅(べに)を白髪に流す// おかあさん逃げよう、水が来る、はやく! 夢の続きの現(うつつ)茫茫// 叫ぶ蝉、鳴いていた蝉… もっと読む 短歌:2021-12《雨おりる》
見送る// 会えぬまま同級生が亡くなった、のではなく死んだ、会えぬまま死んだ// 家族葬のなかに同級生として見送るどこへ送るつもりか// 消えていくのか消えにいくのか送葬の儀式の中でM遠ざかる// 少しずつ消え入るような… もっと読む 短歌:好日2021年11月号より
Wordのアプリを10年?使っていながら未だに四苦八苦しています。改行して頭が揃っていない歌も何首かあります。 あちこち弄ってもうまく揃ってくれません。このまま出すことにしました。「好日」では縦書きですが内容は同じです。… もっと読む 短歌時評:好日2021年10月号
帰心切切// 戦没者墓苑へつづく葉桜のツクツクボウシヨクキタヨクキタ // 葉桜の蝉は祖父母の声となる戦没者墓苑にわたしが行く日 // 八月のむいかここのかすぎさって風たちはじむ帰心切切 // 「戦没者」からだに届いて… もっと読む 短歌:好日2021年10月号より
不意に来る言葉は、「降りてくる」、「湧き出る」のどっちであろうと1日考えていた。 それは短歌の推敲過程でほぼ起こる。そういう言葉は100%、これ!こういうことを言いたかったんだ、と飛びつく時もあり、一方で意味がよくわから… もっと読む 変化する時間
異郷だろうか// 『故郷忘じがたく候』碑(いしぶみ)のある陶苑の清む風を聞く// ふるさとの海辺に立ちている夢にまぶしく光る砂さざれなみ// ふるさとの海辺だろうか波の穂の眩しすぎるは異郷だろうか// すでにして死語… もっと読む 短歌:好日2021年9月号より
「夕べの想い」// 大いなる生命(いのち)の中にある「時間」母に会えないことをうべなう// 「忘じがたき」壽官陶苑の器にて飲む朝の水よき朝の水// 陽炎の橋渡りくる夏衣(なつごろも)「女童(めわらべ)」連れた中野先生//… もっと読む 短歌:「好日」2021年8月号より
かわいいですか// 夕暮れの影なす光、ふるさとの海の夕つ日、無礙光如来(むげこうにょらい)// 飾り窓にじっと動かぬ子猫ちゃんかわいいですかかわいそうですか// しもじものニッポンジン我ガンバッテ笑う笑ってここを乗り切る… もっと読む 短歌:「好日」2021年7月号より
《2020年のマスク》 俎板の使うことなき裏側を洗うとはいのちふかき人ならむ// (高野公彦先生) 2020年マスクをつけて砂のような煙のような息吐いている// この春を死無型(しんがた)虚露亡憂医流水(コロナウイルス)… もっと読む 短歌:『好日選集14』より
光ふるふる// つわぶきの筍の生えるふるさとは異郷まぼろし都市より見放(みさ)く// 石橋の上で見上げたあのときの花は咲いてるでしょうね, かあさん// 天降る光のなかで会いたいよ、母に会いたい、「ひかり」が走る// … もっと読む 短歌:好日2021年6月号より