詠う(短歌)

短歌:「好日」2025年8月号より

⬆️鹿児島中央駅を出て竜ヶ水と重富の間

水の地//

竜ヶ水、出水、垂水(たるみず)六月が来てふるさとの地も梅雨に入る//

知覧茶は手軽に買えるものなれど知覧の茶なり味楽めず//

朝の床を拭き終わりたり素足なる足裏謐(しず)か今日が始まる//

占いに関わらざれば足裏は「あうら」ではない「あうら」は足占//

「やはらか」に床に触れいる足裏のゆびゆび指の腹まで目覚む//

坂道はきついですよね このような言葉を返すわれであったか//

戦争のこと遠ざかる 年月のせいではなくて〈わたし〉のせいだ//

改作しています


⬆️隼人駅に向かう途中の竜ヶ水駅(2月末、車窓より)