詠う(短歌)

短歌:「好日」2025年5月号より

⬆️ 阿久根市大川の霧島神社(車窓より)

『硝子戸の中』//

南(みんなみ)のふるさとの春 父逝きて五十年後のおぼろなる春//

證海寺の河津桜の影の濃し読経の声濃し父の五十回忌//

聞き慣れし先生の読経いまここに居たいであろう母ばかり思う//

「春の光に包まれながら」母に告ぐまた会いに来ます 手を振らないで//

「さくら」にて『硝子戸の中』読みかえし母が思いを拾う心地す//

いっぽいっぽ歩くたび揺れる水筒のその水の音今日を歩かす//

⬆️阿久根市尻無の證海寺(2025年3月)


5月号からずっと短歌を載せられなかったので、頑張って?上げよう(…)。