短歌:好日2020年3月号より
《音なふ》// 兄弟がひとり足りない不可思議の空間残る兄の三回忌// 行き先の天空橋という駅のその先の先 虹たつところ// 大切な人の声とはなつかしき過去形ならず今を「音なふ」// 初春の光のもとで開く本の青色のインク… もっと読む 短歌:好日2020年3月号より
《音なふ》// 兄弟がひとり足りない不可思議の空間残る兄の三回忌// 行き先の天空橋という駅のその先の先 虹たつところ// 大切な人の声とはなつかしき過去形ならず今を「音なふ」// 初春の光のもとで開く本の青色のインク… もっと読む 短歌:好日2020年3月号より
《五年前のマフラー》 《母の記憶ひとつ消えしか「弟が死んだそうだ」と言うようになる》 《ちょっと世間を眺めてくると腰掛けを抱えて母は庭へおりゆく》 《母の言う世間とはやがて去るこの世「アーナンダよヴェーサーリーは楽… もっと読む 短歌:2020年2月号より
13時から15時まで。ひとり2、3首プリントして批評。ボードにいつも書くYさんは、ノート忘れた、思い出せないと言う。他人事とは思えません。 余計な言葉を削って、いつも同じような批評だけど、自分の歌は見えないから仕方なし。… もっと読む 好日東京支社歌会(2020年2月)
「好日」2020年1月号は私は欠詠。まるでそれを見透かしたように、先生がわたしのことを1月号で詠んでくださっている。 先生は去年11月に逝かれた。発破をかけられている心持ち。 年に3回ほど、九州に介護帰省する折に、ここ3… もっと読む 中野照子の歌(好日2020年1月号)
新年歌会と書けば華やかなイメージだけどメンバーは4人のみ。 遠くの伊勢丹より近くのコンビニ、お弁当を予約しておいた。 値は張るけど「新年だし、いいんじゃない」、食いしん坊の了解も得ていたので二段重を受け取っていそいそ地域… もっと読む 20.01//好日東京支社歌会
《時間》// ファインダーに傘さす人の入りきて人間の持つ時間生まれる// 人生の先輩として聞きたいと切り出す息子 なんだいきなり// うつむいてもいいから歩け 石ころを消し去るような光の中を// 熟すれば落ちると聞ける栗… もっと読む 短歌:好日2019年12月号より
《命が鳴った》 // 君の声は噴き出すように明るかった闇が爆発していたのだ// 体内に渦巻く闇がつぎつぎに明るい言葉ばかり生みだす// 八月尽仰向けの蝉をうっかりと踏んだ、ばりっと命が鳴った// 凹凸の漢字ふたもじ刑場と… もっと読む 短歌:好日2019年11月号より
脊柱 // 暑い日は空調を消し目を閉じてランゲルハンス島へ避難せよ// 墓参りせぬ八月の盂蘭盆は「拝み洗い」で米を研ぐなり// ふるさとの水の流れの音のように脊柱いつも清らかにあれ// 干からびた蚯蚓(みみず)つぶれた油… もっと読む 短歌:好日2019年10月号より
入院されていたKさんが来てくださって感激。長く剣道をされていて腕に覚えあり!ということは精神も相当に頑丈に違いない。 リハビリの歌も溌剌として命が弾んでいる。いい歌が今日もあった。 ひとり2,3首出して、終わって即、次の… もっと読む 好日東京支社歌会(2019,9)
ひかりともなう// 山川の流れに沿えるやまざくら水に乗るさま根に帰すごとし// 1輌目に置き忘れたる文庫本 小骨となりてまだ喉にある// 〈自らを苦しめたがるわたくしの物思い〉重いマラルメの思い// その幹に目のような瘤… もっと読む 短歌:好日2019・7月号