変化するにちにち

父の50回目の祥月命日

⬆️ トサミズキ

故郷に帰って50回忌の法要をお願いしている、その事だけであとは一切気が回らなかった。

法要のある日、お寺のM先生の〈祥月命日には改めて50年という日を、、、」との言葉、ハッとして、気づいた。12日をまったく意識していなかったということ。

穏やかであまり話さなかったからか、50年経つと父の印象はうっすらとしかない。

鮮明に今もあるのは亡くなる瞬間だ。ベッドに座っていて、突然に血を吐いて、洗面器を持っていた手の力が抜けて、パタリと垂れた。その一瞬の手の動き、生と死が一瞬一秒で入れ替わる様を目の当たりにした。

「目を落とされました」、慣れない言葉が不思議だった。父の死の時を初めて書いた気がする。50年という「時」の恩恵かもしれない。

⬆️ 3月12日