詠う(短歌)

短歌:2022-8「愛」という音

六月の森は静かだこの地では薙ぎ倒されるという不安なく//

向こうより来る人もマスクしておらず目と目を合わすきっと同志だ//

ガラス戸のペットショップの猫ちゃんと目が合ったから挨拶をする//

昨日見た子猫はきっと売れたのだ いいえ買われて抱かれていったろう//

故郷を出る時までは知らなくてすんだ気がする「愛」という音//

「好日」2022年8月号より 一部改作しています