詠う(短歌)

短歌:2022-5《羽生結弦》

競争に遠く舞いつつ絶対の存在愛(かな)し はなびらになる

水になるピアノのねいろ水をえて舞う人水は涙ににている

身のうちの悲をまとう花噴きいでて花の高みへ引き連れていく

「春よ、来い」その旋律のはなびらの遠くに見ゆる悲を舞う人よ

勝目なき戦いならずすでにして見せた「生きざま」勝敗を超ゆ

戦いの剣(つるぎ)を捨てた武士(もののふ)よおのれに挑む羽生結弦は

『好日』2022年5月号より

順を入れ替えてあります