変化するにちにち

白居易「新豊折臂翁」(4)

新豊の臂(うで)を折りし翁 〉/

是時翁年ニ十四
このときわしは二十四だったが、

兵部牒中有名字
軍から来た令状に名前が載っていた。

夜深不敢使人知
そこで、夜がふけてから、誰にもわからないように、

偸將大石鎚折臂
こっそりと、大きな石で腕をたたき折ったのだ。

張弓籏旗倶不堪
こうすれば、弓をひくことも旗をふることもできないから、

従茲始免征雲南
これでやっと雲南へ行くことをまぬがれると思ってね。

骨砕筋傷非不苦
骨がくだけ筋がつぶれて、痛くてならなかったものの、

且圖揀退帰郷土
それでも召集兵の中からはねのけられて帰郷することができた。

駒田信二選『漢詩百選. 人生の哀感』世界文化社の「意訳」を載せています。

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細川護熙著『中国 詩心を旅する』より、「新豊の臂(うで)を折りし翁」に関する部分を貼り付けました(1/13)。

しかし、わたしにとっての白楽天は、むしろ諷諭詩と閑適詩のなかにある(132頁)。諷諭というのは、楽天自身の言を借りれば、世の人々を救済するという志を詩文を通じて行うことだ 。

「新豊の臂(うで)を折りし翁」という詩はそのひとつ、新豊というところに住む一老人が若き日に自らの腕を叩き折って外征のための徴兵を逃れたという話を主題にしている。

「臂折りてより」六十年を経た今も、寒い夜などは腕が痛んで眠ることができないが、自分の行動に悔いはないという。戦場での無意味な死を免れて生を全うできたからだ。楽天は老翁の口を借りて、為政者の行動を痛烈に批判しているのだ(132、134頁)

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統計局前の花壇に芽を出していたのはドクダミ(十薬の名がいいかな?)。

生命力あり。。。

18:30 月がキラキラしていた。。。