変化するにちにち

短歌:好日2019年12月号より

《時間》//

ファインダーに傘さす人の入りきて人間の持つ時間生まれる//

人生の先輩として聞きたいと切り出す息子 なんだいきなり//

うつむいてもいいから歩け 石ころを消し去るような光の中を//

熟すれば落ちると聞ける栗の実のおのずから照るをてのひらに乗す//

ざらざらと桂の幹はしておれどそのうすき葉は光をとおす//

風景に傘さす人の入り来て去りたり動かぬ時間が残る//

・・・・・

〈人生の先輩として〉息子には何もしてやれない、、、と嘆くまい。彼自身が自ら決めるしかないのだ。親としてできるのは見守ることのみ。