中江博子の〈おばあさんラップ〉

中江博子の<おばあさんラップ> ( 3 )

九  )
増えた増えたよお鍋がふえた
フライパンまで五つも増えた
キッチンの主変わった途端
計器は増えたし調理器増えた
本やビデオで見て知った
水島シェフの信奉者
自信満々料理する

手の骨折って無能な私
上げ膳据え膳三食付で
すっかり甘えて助かった

三か月も過ぎたころ
私復活果たしたよ
有難いけどこのままじゃ
私すっかりボケちまう
久々帰った私の城は
すっかり代わってなんだか変

良いとこ感じるようにして
不便なところ我慢した
そこへ二代目がやって来て
私の仕事にイチャモンつける

溜まり溜まった堪忍袋
堪忍袋の緒が切れた
ちょっと出て来た新参者が
六十年のベテラン主婦の
私に向かって何を言う
黙れと大声張り上げた
相手びっくり私もびっくり

十 )
私閏年閏日生まれ
四年に一度の誕生日
二十回目のバースデー
友達招いてパーティーしたよ
準備したのは七十代
未だ未だ元気な七十代
チューリップ私が八十なんてうそ
そんな俳句の心境でした
ところが大台八十超えて
なんだか景色が変わったよ
おまけに転んで手の骨折った
三カ月の冬眠が
醒めたらラップが生まれたよ
おばあさんラップの誕生だ    イエイ