変化するにちにち

ケルビーニ「レクイエム」を聞きながら

レクイエムというものを、訳も分からず初めて歌ったのはフォーレ、10年近く前かも知れない。ラテン語も初めてだったが、〈天国で…かつて貧しかったラザロと……〉というところはなぜかいつも泣けそうだった。

ケルビーニは何かが違うと感じる。今までメロディー、旋律の流れ云々だったものが、素人の浅はかさで言ってしまえば、人の声(言葉ではなく、詰まった思いのようなもの)が聞こえる、しかも声高ではない。そしてなんだか落ち着く、そのように感じる。

短歌の締め切りでストレス満タン、〈Dies irae〉を繰り返し聞きながら推敲。怒りはないが(締切日過ぎた恐怖は大いにある)集中できる、というより音の中でストレスから一瞬だけでも逃げられる。